「はるかな時をこえて」
忘れない
「6メートルの津波が来ます、
高台へ避難してください」
呼びかけ続けたあの人の声を
「わたしがこの先、生きていても、
足手まといになるから」と
自ら命を絶った、あの人が手紙に込めた全霊を
繰り返し 繰り返し 夢に見る
命という不条理
命という祈りのすべて
継ぐもの
絶つもの
まっすぐに見て
心をひらいて
会いに行こう
ずっと未来で待っている
わたしたち自身のまなざしへ
生きて
はるかな時をこえて
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「旅人よ」
旅人よ
街の景色は美しかったか
旅の先々で道連れを得たか
闇も晴れも
山谷も港町もあろう
月も星も
陽光も 風も雨もあろう
望んで出た旅にもかかわらず
泣いた夜もあろう
旅人よ
お前のまなざしは父母に似て
何よりも誠実で美しい
世界に手足を投げ出して
良く眠り
良く起きて
詩を詠え
今日に見た感動や直観を
旅の友に伝えたい感情を
いつか老いてから綴ればと思うな
今が時
全身で楽しむのだ
それはつまり
今日のひと日
この瞬間、瞬間の生を
愛すことに他ならないのだから
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「平和への祈り」
どうか
わたしたちに起きたできごとのすべての悲しみがいつの日か癒え
悲しみの要素のうちのいくつかを
「わたしたち自身の意志で止めることができたのかもしれない」という自責の念が
他者への怨みに変わることなく
純然たる まじりっけなしの祈りとして
未来は
誰もが命を脅かされない世になりますように
そんな世を
わたしたちの意志の力によって
呼べますように
どこの国のどんな人であっても
ある日ほんとうに突然に、大きな地震や津波や事故で
命を落とすかもしれない現実に対しては
できることと ほんとうにできないこととがあるけれど
その中の ほんの少しのできることのほうを常に見て
かけがえのない、世界中にたった一人ずつしかいないわたしとあなたは
生きる今をおそろしくて不安で悲しく辛い今にしないよう
生きる今をうれしくて感謝できてよろこびあえるものにできるよう
未来への
メッセンジャーとして 命を使おう
不死ではない限りあるいのちの時の中で
お互いが 生まれてきたこと 生きていることを喜び合い
人以外の 動植物 大気 土 水 自身を生かしてくれているこの世界中を思いやり
破壊しあわない
傷つけあわない
殺しあわない
尊びあう
いのちを授かったことそのものを誇れる
そんな未来を
私たちの意志で具現化できますように
そして 理想論ではなくてほんとうのほんとうに
世界中の人と人が友達になって
今日の平和なひとときが子に孫に絶やされず続いてゆくことを守る
そのような人類同士として ともに在ることができますように
平和への祈りをともに
朝に夕に
いつか出会う、まだ見ぬ友であるあなたとわたしと
あらゆるすべてのいのちとこの星のために
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